寝室のドアが開き、皆が集まる中に足を踏み入れた竜崎が呆然と呟いた。


「何ですか、その座り方」


面々が思っていたことなので、同意するかのようにこくりと頭を動かした。
当の本人月はというと、あぁといつもと変わらない反応を見せている。
「これ?竜崎の真似」
真似と言っても流石に指は咥えていない。
いつものピンと張った背筋をくるりと丸め、足先を抱える。
ソファーに足を乗せじっとしている様子はいつもの竜崎だった。
竜崎はそんな月を見てブルブルと体を震わせる。

「かわいいです月くん」

うっとりとした歓喜の声を上げた。
確かにその様子は可愛かった。
いつもの大人っぽく綺麗な彼とは違い、上目遣いがまた可愛らしさを引き出している。
「やる人が違うだけでこんなに印象が違うものなんですね」
松田がポロリと口にした暴言に竜崎が気付かないはずも無く。
「何か言いましたか、松田さん」
冷めた目で見られ体を固まらせるのだった。










   −END−


本当は何をしてもかわいいんでしょう。
それって恋の色目?

2004.12.15