先ほどから何度も呼ぶ声。
気にしたら負けだと歩を進める。


「夜神くん、待ってください」


追いついたらしい声が間近で名前を呼んで、足を止めないわけには行かなかった。
「一緒に行くと言ったじゃないですか」
父を追い詰めたのは自分だというのにいけしゃあしゃあとよく言ったもんだ。
僕のせいか?いや、違う。
竜崎さえいなければもっとすんなり世の中は変わっていたはず。
「来なくていい、父さんも休めないだろ」
「いいえ、私の責任もあることですし行きます」
ICPOやFBIを好きなだけ使い、死刑囚をダシにする男が責任?
「…勝手にしろ」
「はい、勝手にします」
掴み所が無い奴だ。流石Lか。
何も考えて無いフリをして僕の監視をしているんだろう。


「なんたって付き合い始めはデートが肝心ですからね」


デート。
何を言ってるんだ、こいつ。
裏で何を考えてこの台詞を言ってるんだ。

あぁ、早く着けばいいのに。
十字マークまで、あと数十分?










   −END−


どこからがデートなんだか。
好きな人とならどこまででもデートです。

2004.12.14