全てが綺麗な彼は、頭の先から爪先まで非など無いように思われる。


「竜崎、寝癖ついてる」


くすくすと静かに笑う夜神。

その様子はまるで絵に描いたようでとても美しい。

まどろんだ雰囲気でふたり、ベッドでの甘い空気。

くるくると指先で髪を弄んでいる。

いつもの彼では考えられないその無防備な姿。

彼がくるりと指先を動かすと堅い髪が跳ねる。

それをただ繰り返す。

その遊びに神経は煽られていく。





手を掴み、指先にキスをした。

それにさえも、彼は静かに微笑むのだった。










   −END−


煽られる。煽られる。
貴方が触れてくれるのなら。

2004.12.14