推理が間違っているとはどうしても思えない。
「夜神月、あなたはキラです」
どれだけ穴はあっても、答えだけは変わらない。
「キラです」
「……そう」
夜神は否定すること無く、肯定すること無く、ただ微笑んで見せた。
背中を向ける彼にずきりと体が痛むのが分かった。
「月くん、月くん、月くん!」
「竜崎?」
名前を呼び、抱き締めれば不思議そうな声が返ってくる。
「月くん、月くん、月くん」
ひたすら呼んで、名前を呼んで。
自分自身を抱き締めるかのようにきつくきつく包み込む。
私の言葉が彼を傷付ける。
どれだけの怪我を負わせているのか、見えない分余計に痛々しい。
「竜崎…」
困っているのか、それとも?
寂しそうに聞こえるその声を押し潰すかのように抱き締める。
見えない傷をふさぐように。
−END−
好きで好きで好きで。
でも、貴方はキラなんです。
守ってあげたい存在を傷付ける罪。
2004.12.14
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