「これほどてこずる相手は初めてです、キラ」
音は響いて消え、何も残さない。
「今貴方を失うことが一番恐ろしい」
隣りで小さく寝息を立て眠る夜神月。
彼が私の前で無防備な姿を見せるようになるまでにどれだけの時間を費やしたことか。
文武両道で容姿や人当たりも優れている完璧な人間。
だからこそキラを感じさせる唯一。
そして唯一愛しいと思える存在。
たとえキラの罠だとしても彼をものにできることが嬉しかった。
「貴方を失ったら私は」
おそらく今までのように生きてはいけない。
手招いてくれないと暗くて見えない。
道を失う。
−END−
貴方無しでは何も見えない。
貴方がいるから歩いていける。
2004.12.11
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