「竜崎、この情報持って来させて」
書類の束から一枚引き抜き顔を合わせること無く見せる。
申し付けられた竜崎は「わかりました」というと近くの電話に手を伸ばす。
「出掛けるのに車出してもらっていいかな」
ジャケットを羽織ながらお願いとは言いにくい口調で言い渡す。
竜崎は「はい」と言うと連絡だけ入れ、共に部屋から退出する。
「この靴僕に似合いそうじゃないか?」
雑誌のカタログを捲りながら、その一つを指差す。
実はそういうと思いまして、竜崎は口にして隣の部屋からありとあらゆる服と靴を引っ張り出した。
「ありがとう、中華が食べたいと思ってたんだ」
テーブルに乗り切らないくらいの高級中華がずらりと並べられている。
甘い物にしか口にしない竜崎を考えれば、これはすべて彼の分だろう。
どう考えても貢がせている。
利用しているとしか思えない。
「ふたりの関係ってさ」
おずおずと松田が問う。
二人は目を見開いて、互いに相手を見やる。
「「恋人」」
即答された言葉に、そうと小さく呟くしかなかった松田だった。
−END−
ふたりがいいなら、いいじゃないか。
2004.12.8
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