部屋な招かれ椅子に腰掛けろと誘われ言う通りにした。

「月くん手を出してください」

訳が分からなかったが言われた通りに手の平を差し出す。

竜崎はポケッとから何かを取り出し、月の指に絡める。

「何だこの紐のわっか」

「なんでもありませんよ」

よく見てみてもただの細めの白い普通の紐だ。

紐の先の輪になっているところに薬指を引っ掛けられながら月は首を傾げる。



「月くんの指のサイズ調べるだけですから」



固まっている間にペンで紐に印を付け、竜崎は足早に去って行く。

「おい、ちょっと待て!竜崎!」

一瞬遅れ焦りながら声を掛けたときには、もう彼は部屋からいなくなってしまった。

月は、まずいことになったと確信すると急いで後を追うのだった。










   −END−


待て、待て、取り合えず待ってくれ。

2004.12.1