「らいとくんは、なに色がすきですか?」
「ぼくは青がすきだよ」
らいとくんはいう。
めいっぱいのえがおをうかべて、まるでたいようみたいにまぶしい黄いろのえがお。
「そらがすきなんだ」
てをのばすのは水いろと青のあいだのそら。
きはゆられてかぜがまるで緑にそまったかのように。
「りゅうがはなに色がすき?」
「わたしですか?」
ちらりとめせんをおくると、はやくとせかしてくる。
「らいとくんがすきです」
らいとくんはめをぱちりといちどふせると、そのあとにまっ赤にかおをそめる。
「そんなこときいてない!」
かたむきはじめたひのひかり。
橙いろのゆうひがまちをつつんで、ふたりをつつんで。
らいとくんのめにうつるまちなみは灰いろや、紫いろにくらくにぶくひかる。
てをつないでかえりましょう。
てれてわらうらいとくんは、すべての色をてにいれたようにみえて。
まっ白のつばさがはえた、てんしのようだった。
−END−
わたしの黒でぬりつぶしてやりたい。
このうつくしいてんしのはねを。
2004.11.23
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