「夜神くん、今一番"したい"ことは何ですか?」



流河は突然、が多い。
「今一番したいこと?」
「えぇ、そうです。何がしたいですか?」
これは何のテストだ。
顔には出さず頭で色んなパターンを考えたが、途中でやめた。
最近の流河の行動でわかってきた、本気で悩めば痛い目を見るのは大抵こちらだったから。
差し当たり無い優等生な答えを用意する。


「そうだなぁ……キラを捕まえて僕の無実を証明したいかな」


人好きのする笑顔で微笑んだ。
「………そうですか」
流河は若干不服そうな顔をして、じっとこちらを見つめる。
特に言葉を発するわけではなく、指に唇を当てただ見つめる。
それは何かを待っているようで…






「…………」






「…………」





見詰め合うこと数分。
にっこりと笑顔を浮かべたこちらに流河の顔が少し輝いた。
そこで自分の考えが合っていたとわかる。









「言っておくが流河、僕は聞かないからな」










   −END−


「君は何がしたいの?」と聞いて欲しかった流河。
「月くんと…」と言いたかった流河。それだけ。

2004.10.16