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「だーれだッ!」

「美佳だろッ☆」

「やぁん!賢ちゃん当たりぃ♪」

ここに一つの俗に言うカップルがいる。
人の目も憚らず大学のベンチで二人の時間を楽しんでいる。
それを瞬きもせずに、遠くからじっと見つめる男がいた。




「………良い」












偶然にも、ちょうどそこに夜神月が通りかかる。


「何してるんだ、流河?」


いや、次の授業にはこの道を通る確率が高いのを知った上で、Lがいたと言っても過言では無い。
一点を見つめて突っ立っている流河がいれば、月が話しかける確率は更に高くなる。
流河は、それを待っていたと言わんばかりに振り返った。
「夜神くん…」
そして、あのカップルを指差す。
「何だよ」
月はその指を素直に追う。
そして、ピシリと音がするくらいに固まった。
頭の良い彼は、流河という男が何を言わんとしているかわかったのだろう。




「まさかアレを僕にやってくれなんて言わないよな?」




硬い表情のまま笑った月に、無常にも流河の答えは簡潔で揺ぎ無いものだった。
無表情のくせに期待に満ちていることは、可愛げも無い上目遣いで理解できる。
いくら断っても食らいついてくるのがLという男だと知っている月は、眉を潜め小さく溜め息を付いた。

















流河は先程と同じようにカップルに目を向け、観察に勤しんでいる。
しかし、メインはそこではなく、今から訪れる夜神月。
一方その月はというと、わざわざ来た道を戻ってこちらに向かってきている途中だ。
姿勢の良い歩きで、後姿の流河に近づくと静かに手を伸ばした。
そして極めつけに、らしからぬ明るい声とお決まりの台詞。



「だーれだ」












「ら、月くん……それは目潰し」










   -END-


「だーれだ!」「月くんですv」「何でそんなにわかるんだ流河」「愛の力です」「もぅ☆」
まだまだ先は長いです。

2004.10.09