「疲れました」


猫背で僕の二、三歩後ろを付いて歩く。
大学までの道のり、あと少し。

「今日は歩くと言ったのは君だろ」


溜め息混じりにそう言った僕に、アイツは答える。




「私の体力にも限界があるんですよ」














「いい加減にしろ松田」


相変わらず空気が読めない松田さん。
珍しく苛々した声が僕の隣で響く。

「おい、落ち着け竜崎」


少し焦り気味に声を掛けた僕に、アイツは答える。




「私の堪忍袋にも限界があるんですよ」
















「ケーキまだですか?」


落ち着き無く周りをきょろきょろと見回す。
何度も同じ質問を繰り返している。

「今ワタリさんが用意してる。少しくらい待てないのか」


目を細めて呆れた様子で見ている僕に、アイツは答える。




「私の空腹にも限界があるんですよ」
















「夜神くん」


息を荒くして呼ぶ。
ベッドに押し付けられたこの状態。

「コラ、何するんだ!重い!退け!!」


なんとか抵抗をする僕に、アイツは答える。




「私の忍耐力にも限界があるんですよ」




















「愛してます」


うっとりとした甘い声。
身体を弄られ出したくも無い声が跳ねる。

「や…ぁっ!竜崎!!」

過敏に反応する僕に、アイツは笑う。




「私の精力には限界はないんですよ」










   −END−


Lは精力には限界が無いらしいですよ、へぇ。

2004.09.29