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月くんは綺麗好きらしい。
捜査本部が散らかっていると文句を言いながらも絶対に片付ける。
服装でもいつもきっちりしたものを着ているし。
だから考えた。
「松田さんってきちんとしてるんですね」と言ってもらうために何をすべきかということを!
まずは朝時間を掛けてシャワーを浴びるところから。
今日はちゃんとヒゲも剃ってシャツにはアイロン。
髪だってビシッと決めてきた。
これならきっと月くんもいつも以上の笑顔を見せてくれるはず。
清潔にしてる人は一緒にいても気持ちがいい人だというから、もしかした月くんは僕のことを…!
顔がニヤつくのを堪えて、それでも収まらない笑顔のままにホテルのドアを開けた。
「おはよう月くん!」
いきおいよく入ってきた僕に始めはきょとんとした顔を見せる月くん。
と・うるさそうに睨みつけてくる竜崎。
「おはようございます、松田さん」
にこりと優しい笑顔を向けられる。
ただでさえこれでもかという笑顔の上に、更に顔がだらしなく緩む。
月くんは天使だと確信してしまう。
そんな天使は、ふとソファに目を向けて見開く。
「あーもう竜崎こぼれてる!」
いつものようにケーキ口に含んでる竜崎。 フォークから食べ切れなかったケーキがボロボロと落ちていた。
「汚れたら拭いて」
「袖を捲くるならちゃんと曲げなよ」
「ほら、資料の上に置かないで!」
「床に置いたら誰かが踏んじゃうだろ?」
「竜崎……!!」
「竜崎!ちょっとは松田さんを見習ったら?」
指を指して言われている……でも月くん、視線が向いてないよ?
相変わらず月くんは竜崎の世話を甲斐甲斐しくしている。
竜崎も一切文句は言わずに黙って従っているこの状況。
これは何だろう。
当初の目的は達成されてるけど……
なんだか負けている気がする。
-END-
貴方は彼のことをわかってないですね。
2004.09.24