「竜崎、僕はずっと君のことが……」
うるりと目元を涙で濡らし、上目遣いで声を絞り出す夜神くんは天使のようで。
照れて拒んで来ていた彼からそんな言葉が貰える日をどれだけ待っただろう。
「月くん、その言葉を待ってました」
「竜崎…!」
優しく微笑むと目の前の愛しい人は胸の中へ飛び込んで来る。
ぎゅっと抱きしめてお互いの体温を感じあう。
「月くん」
同じ鼓動を感じながらじっと彼の目を見つめ、彼をベッドに横たえる。
恥ずかしいのか真っ赤な顔で視線を漂わせている夜神くんの首筋に吸い付いた。
「あっ」
かん高い声を上げ、ピクリと反応を見せる。
それがまた愛しくて、目元を緩めた。
「可愛いです」
もっと見たくなって、味わうように体の隅々まで舐め上げる。
その度に彼は素直な反応を見せ、恥らう。
そろそろ我慢ができない。
「やっ……んっ…も、りゅざ…き」
切羽詰ったような声で名前を呼ばれ、ごくりと唾を飲む。
頬を染めて眉を寄せ、必死に懇願する彼の腿に手を添える。
フルと少し震える彼も愛しい。
早く彼と繋がりたくて息が荒れ、興奮が止まらない。
「月くん……!!」
「という夢を見ました」
淡々と語られているが、その話を強制的に聞かされていることに僕の状態はというと。
両手を縛られ口には布を巻かれてしまっている、いわゆる猿ぐつわ。
「ちなみに今から実行に移すつもりです」
冗談だと言ってほしい。
しかし竜崎の目は真っ直ぐで若干鼻息が荒い。
今からのことを考えると悪寒が走る。
意識が朦朧としてきてないか。
まさか、まさかまさか本当に実行する気では?
死んだ方がマシだ。
−END−
あぁ、これから待っているのは本当の絶望か。
2004.09.17
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