性格不一致
猿飛佐助と伊達政宗は戦場で正面から対峙していた。
佐助は大抵幸村に付いて出陣するので二人きりで出会うのはこれが初めて。
「アンタとは気が合わなさそうだ」
何よりも真っ先にそう口にした佐助に政宗は一瞬美麗な顔を呆けて見せた。
それから何を思ったのか鼻先で笑う。
「そうか?案外いいかもしんねえぜ?」
口をへの字に曲げ、嫌そうな顔をする佐助におかまいなしに、続けて言葉を投下した。
「身体の相性」
「下ネタ禁止ーッッ!!」
最後まで言わせない勢いで大きく叫ぶ佐助。
信長のハリ線を持っていれば確実に政宗の頭に直撃していたことだろう。
無いのが非常に悔やまれる。
目を見開いている政宗にお構い無しに佐助は俗に言うオーバーリアクションというもので手を振り頭を抱えて絶叫する。
「これだからアメリカさんは困るんだ。
いつでもどの話題でもすぐシモに走ろうとする。
なんだ、アンタはあれか、コメディ映画出演のつもりか。
そっちに走れば何でもウケると思ってんのか?
え?どうなんだよ。
ホモネタはアメリカンジョークだから許されるなんて思って簡単に使ってんじゃねえぞ。
俺が訴えさえすればこれは立派なセクシャルハラスメントになるんだからな。
伊達=セクハラ軍だってあちこちにばら撒いてやろうか?ええ?」
多少押され気味で話を聞いていた政宗は何度か瞬きをしてから佐助を見やった。
外来語の、がの字も知らないような人間が、恐ろしく達者に喋る台詞だっただろうか、今のは。
「……色々ツッコミを入れたいところがあるが、取り合えず」
「お前に突っ込んでいいか?」
「下ネタ禁止だっつってんでしょ!!」
佐助が手にしていた愛用手裏剣は次の瞬間その手中には無かった。
−終−
セクシャルですぞ!
2005.10.20
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