護りたい






『護りたいものは何ですか?』


「親父と遊子と夏梨、あとはダチかな」




『護りたいものは何ですか?』


「護りたいもの?そうっスねぇ今の生活スかね、気に入ってるし」




黒崎一護と浦原喜助は恋人同士のはずで。
でも何故お互いがそこで「恋人」と答えないのか。
意地を張っているわけでも、わざとそう言っているわけでも無さそうだから余計に気になる。
それをそのまま二人に問うてみる。


『恋人は護りたくないんですか?』



「コイツは唯一護らなくていいんだ」


「黒崎サンは護りたい人じゃなくて、護ると決めた人」


二人は目を合わせてからおかしそうに笑った。
当たり前のことなんだと。















   −終−






それがふたりの関係。



2005.07.21