belief
「ハッハー!どうした!かかって来いよ!」
悪魔退治は仕事、ということを差し引いても楽しい。
強いものを相手にするときは嬉しいし、ぶっ飛んでいる頭は心地良い。
這い上がってくる快感と、高揚感、達成感。
リベリオンとエボニー、アイボリーを使いこなして向かってくる悪魔をなぎ倒す。
どれだけ大きい敵も、何てことは無い。
壁を蹴り、相手の攻撃をかわして、頭上から脳天にぶち込んでやればいい。
「この辺の悪魔は駄目だ、弱すぎておもしろくもなんともねえ」
血を吹き出して倒れ、ザラリとした砂になる。
フゥと息で長い前髪を吹き上げて、銃を何度か回してからホルダーに収めた。
最近マシな仕事が入ってない。敵もザコばかりだ。
「もっと、何かねぇかな、おもしろいこと」
あるわけ無い、か。
依頼通りの仕事をした、もう空は明るみ始めている。依頼者から金を貰って、帰るか。
欠伸をひとつして、踵を返した。
「待ってろ、待ってろダンテ」
息を荒くした無表情な男がこちらを見ていることには気付かなかった。
−終−
快楽主義が仇となる。
2005.11.04
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