キラ逮捕的協力者現る



キラを捕まえるための新たな人材。
犯罪者というところが気にならないわけでは無かったが、世界一の探偵Lの判断。
世界的犯罪者を捕まえるためには仕方ないのだろう。
それに、見たところどうやらそれほど悪い人でも無さそうだ。
「初めまして、夜神ライトです」
これから仲間になる人物に月は笑顔で手を差し伸べた。
金髪の軽そうな男は、その手と月の顔を見比べる。
そしてニッと口の端を上げると差し出された手を取った。
「よろしくライト」
握った手をそのままに手の甲に唇を添える。
ちゅ、と軽い音がした。
「アイバー・・・何やってるんですか・・・」
手錠で繋がっている竜崎はその様子を間近で見ていた。
クマを更に深くしてアイバーを睨んでいる。
「悪ぃ悪ぃ日本では挨拶は握手だったかな?」
そんなLを気にすることなく軽く笑い流す。
竜崎は更に目を細める。
「違うわ、アイバー」
後ろの壁に寄りかかるようにその様子を様子を見ていたウエディが口を開いた。
組んでいた腕を解き、中心の人物に近づく。
「え・・・」
そして自分の周りで進む話に呆気に取られている月の顎を指先で上げた。








「・・・挨拶というのはこうするの」
ウエディが声を発したのは月の口内を十分に貪った後。
濃厚な口付けを食らってしまった月は固まってしまっている。
「そっか。いや失敗失敗」
アイバーは腕を組んで笑いを飛ばしている。
その隣の竜崎だけは目を据わらせ
「ウエディ・・・」
「あら、竜崎もして欲しかったの?」 重い声で怒りを露わにしている竜崎に、ウエディは気にする風も無い。
「遠慮します」
して欲しい、と少しでも言ってしまえば本当にすることも厭わないだろう彼女に溜息を吐いて断った。
竜崎も、今は月の方が気になるのだろう。
「月くん大丈夫ですか…?」
「平気だよ」
ショックを受けているのか心持ふらついている月に竜崎は心配そうに声を掛けた。
…のも束の間。
「ちょ、竜崎…!何するんだ」
月の肩を掴み、正面から顔を力ずくで寄せる竜崎。
そんな竜崎に月は力の限り抵抗する。
「…ウエディのときは拒まなかったくせに私のときは抵抗するんですか」
「あれは突然だったから…って近いよ竜崎!」
恐らく全身全霊の力を込めている。
ここで月が力を少しでも緩めれば竜崎と…その先は見えている。
月はいつもの冷静さを失いつつも抵抗を続ける。
原因であるアイバーとウエディはおもしろそうにその二人の図を観察しているだけ。




他の捜査メンバーは、こんなところでキラを本当に捕まえられるんだろうかと溜息を吐いた。

















   −END−


何で抵抗するんですか…!

2005.8.15